土壌をもっと身近に!〜土壌分析その日のうちに〜
養分バランスを改善・維持することが大事です
面積の限られた日本の農地では、長年にわたる連作や過度な施肥などの影響により、一部に養分過多や成分バランスの乱れが生じています。そのため、農作物の生育障害や収穫量の減少が懸念されており、土壌分析にもとづく適切な施肥の必要性が高まっています。
特に近年では、土壌分析をおこなう目的が、「不足養分を解消するため」から「養分バランスを改善するため」へと変わってきております。
戦後~高度経済成長
土壌養分の不足
↓
多施肥による生産量確保
近 年
葉物野菜の作付回数増加・施設栽培の普及
↓
土壌中の養分過剰、成分バランスの悪化
↓
生育障害の発生、収穫量の悪化
国内における土壌分析の7割は分析を委託しており、現状に不満を抱えています
現在、土壌分析は専門機関等に委託するのが一般的です。しかしながら、近くに分析機関がなかったり、測定に数週間を要することから、土壌分析を実施する農家は、全体の1割程度に留まっています。中でも、現状土壌分析をおこなっている生産者は、「分析に時間がかかる」ことが一番の課題と考えておられ、作付時期に間に合うタイムリーな分析が必要とされています(注1)。
8割強が委託分析
半数超の方が「時間がかかる」と回答
注1:第1回 関西次世代農業EXPO(2017年4月)出展時の調査結果(当社調べ)
OVERVIEW
分析に時間がかかる
分析機関に土壌分析を依頼しますと、結果が返ってくるまで通常でも2週間かかります。
また春先や秋前など、作付けが集中する期間は1か月や2か月かかることもあり、計画的な施肥設計が困難な現状です(注2)。
エア・ウォーター・バイオデザインの土壌分析装置はより生産現場に近い場所で手軽に素早く測定ができますので、その場で分析結果がわかります。
注2:複数の農業関係者へのヒアリングにもとづく
作業が面倒
分析機関の一般的な土壌分析装置は専門性の高い機械ですので、取扱いが難しいのが課題です。また簡易的な分析キットでも、分析のための試薬準備や前処理が面倒であり、定期的・継続的に分析を行うことは困難です。
特長1:農作物の生育に必要な6種類の土壌養分を約14分(注3)で測定
計測できる成分は次の6成分です。 いわゆる「肥料の3要素」と言われる窒素(硝酸態窒素・アンモニア態窒素)・リン酸・カリウムと、ミネラル分であるカルシウム・マグネシウムです。窒素は硝酸態とアンモニア態の形で土の中に存在するので、それぞれを計測します。
この6成分が、作物の生育には特に重要とされています。
注3:試料液注入から成分濃度算出までの時間
特長2:光センシング技術と独自のカートリッジシステムを採用・試薬調合作業が不要で、誰でも簡単に計測可能
分析カートリッジは成分毎に部屋が区切られており、あらかじめ各成分の反応試薬が部屋毎に内包されているため、調合作業が不要です。
また、土を専用の抽出液に浸してろ過した試料液(以下、土壌液)を装置にセットすると、分析カートリッジの各部屋に適量の土壌液が自動的に注入され、発色した状態を光センシングユニットで自動計測します。
加えて、土の中の養分を溶かし出す抽出作業は従来、成分毎に異なる抽出作業が必要でしたが、本機では共通の抽出液で一括抽出を可能とし、簡単計測による短時間計測を実現しました。
特長3:各成分の量をその場でチャート表示・作物に適した肥料の種類や施肥量をレポートで提案
分析結果として各成分の量をチャート表示し、併せて作物に適した肥料の種類や必要な量を提案するレポートを出力することができます。
肥料の選択やコメントの内容を自由に変更できます
ソフトウェアが提案した肥料をその場で選択しなおすことができるので、お客様の志向に応じた独自の施肥設計をおこなうことができます。
肥料のリストや、作物リストも自由に変更できます
ソフトウェアには、肥料リストと作物リストのデータベースが格納されており、普段取り扱っている肥料リストを反映したり、作物に対する独自の基準値を設定することで、よりオリジナル性の高い栽培指針の組み立てをおこなうことができます。
How to
分析したいときにいつでも自由にできます
・次作の植え付けまでに時間がない時に
・作付中に「おかしいな?」と思ったら
お店のメリット
農家さんのメリット
弊社内でミニトマトの栽培実証をおこなった結果です。
弊社農場の事例では、分析に基づき、不足していたマグネシウムを適正な時期に適量追加することで、収穫量が向上する結果を得ることができました。
社内検証(ミニトマト)
土壌成分推移(Mg成分量推移)
栽培結果
光合成が促進され収量が向上
収穫量の向上
※社内栽培検証の結果をもとに分析例や栽培結果を記載したものであり、成分濃度や総重量の変動率がそのまま他の農産物に適うようされるわけではありません。
土壌分析装置(EW-THA1J)の操作、結果の出力には別途、PCとプリンターと弊社ホームページから「操作・分析ソフトウェア」のダウンロードが必要です。
形名 | EW-THA1J |
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外形寸法 | 幅318mm ×奥行162mm ×高さ153mm |
質量 | 約4.5kg |
外部I/F | USB2.0 タイプB (PC接続用:1点) |
電源 | AC100V 50/60Hz |
消費電力 | 7.9W |
環境条件※ |
使用温湿度: 15~30℃、20~80% RH (ただし、結露しないこと) 保管温湿度: 0~50℃、20~80% RH (ただし、結露しないこと) |
測定光源 | 3色LED(R、G、B)選択制御 |
設置場所 | 直射日光、粉塵、水、温度変化を避ける |
分析方法 | LED/フォトディテクタによる吸光計測 |
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処理能力 | 6項目/約14分 |
対応測定物 | 土壌 |
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サンプル量 | 1.0g (付属の土壌さじ すり切り1杯分) |
分析試薬 |
分析カートリッジ(別売) 使用環境温湿度:15〜30℃、20〜85% RH |
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成分抽出液(別売)(室温保管) |
硝酸態窒素 | 1~50mg/100g乾土 |
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アンモニア態窒素 | 1~50mg/100g乾土 |
可給態リン酸 | 1~350mg/100g乾土 |
交換性カリウム | 1~200mg/100g乾土 |
交換性カルシウム | 1~1,000mg/100g乾土 |
交換性マグネシウム | 1~120mg/100g乾土 |
商品についてのご注意
製品情報ページについてのご注意
安全にお使いいただくために
※ 屋内の直射日光があたらない環境でお使いください。屋内でも、窓際などの直射日光があたる環境や、日光の影響を強く受けやすい環境、スポットライト下など、照度が高いもしくは変動している環境ではお使いいただけません。
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